骨代謝障害
カルシウム、ビタミンDの消化吸収障害によって骨の代謝異常をきたし、骨粗鬆症や骨軟化症を
招くことがあります。
胃酸の減少や小腸の細菌の異常によって、カルシウムが吸収されにくくなります。
脂肪の吸収障害のためにビタミンDが低下して骨基質へのカルシウムの沈着に支障をきたすからです。
胃切除後の骨障害の発生頻度は30〜40%といわれています。
牛乳のカルシウムは吸収されやすいため補給に適しています。しかし、胃切除後は小腸粘膜の
乳糖分解酵素が欠乏するため、牛乳に含まれている乳糖が分解されない乳糖不耐が
しばしば起こります。特に冷たい牛乳は腹鳴、腹痛、下痢などの腹部症状を誘発します。
予防・日常生活の注意点
カルシウム豊富な食事、特に牛乳や乳製品を積極的にとるようにして、
ビタミンDも補給します。さらに保健薬としてカルシウム剤やビタミンD製剤も補給します。
自分のからだの状態を把握する
胃切除後症候群は適切な治療によって、ある程度軽減させることが出来ますが、
大きな鍵を握るのは、患者本人の術後管理です。
切除前のからだの状態、切除方法、そして術後の回復度によって、症状の現れ方は
個人差がでます。自分にはいつどうような症状がでやすいのか、何を食べた時、何を飲んだ時に
起こるのかきちんと把握し、それに合わせた食習慣をつくることが大切です。
胃切除後症候群全体についていえることですが、食べ物は十分に噛むようにします。
歯を丈夫に保ち、胃の代わりに口でしっかり攪拌(かくはん)するつもりで、一口50回を目標に、
少しずつゆっくりと食べましょう。十分噛むことは、下痢の予防にもなります。
暴飲暴食は厳禁です。1回の食事量については、自分の適量を把握しましょう。
食べ過ぎないように、常に腹6〜7分目を目安にします。
からだに取り入れるエネルギーと消費するエネルギーのバランスをとり、ウォーキングなど
適度な有酸素運動を続けて骨量と筋肉量を増やし、体重の増加を図ることも大切です。
症状は必ず現れるものと自覚する。
特に胃がんの手術の場合、精神的ダメージも相当大きいはずです。術後も何となく違和感が
ついてまわり、しばしば不定愁訴として現れます。だるさや脱力感は、心身的な症状として
現れることもあります。
ガンという病気、そして胃の切除という事態を受容して、心身を日常生活に適応させていく
努力が欠かせません。
胃の切除手術を受けた以上、胃切除後症候群を回避するのは難しいことです。
何らかの症状は必ず現れるものだと自覚して、1日も早く、自分なりの対処法をみつけるように
しましょう。
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